ドコモ・au・ソフトバンクといった大手スマホキャリアで販売している端末では、そのままでは他社のSIMカードでは通信ができないSIMロックがかかっている場合もあるため注意しましょう。
SIMロック解除により、そのような端末でも他社回線を利用することが可能です。
この記事では、SIMロック解除とは何か、SIMロック解除をするメリットや注意点・デメリットのほか、各キャリアでの手続き方法、おすすめ乗り換え先まで詳しく解説します。
SIMロック解除とは?
SIMロック解除とは、スマホ端末にかけられたSIMロックという利用制限を解除することです。
SIMロックがかかっているスマホの場合、契約した通信会社のSIMカード以外ではインターネットに接続できません。
この場合、今のスマホのままで他社に乗り換える際は、SIMロック解除の手続きが必要です。
そもそも「SIM」「SIMロック」とは?
SIMとは、契約情報や電話番号などの情報が記録されたICカードのことを指します。
SIMロックは、SIMを他社のスマホに差し替えた際に使えなくなるよう、カギをかけた状態のことです。
SIMフリーは、SIMロックがかかっていない状態のSIMのことで、他社のスマホに差し替えるだけでそのままSIMを使えます。
SIMロックの確認方法
SIMロックの確認方法は、機種によって以下のように異なります。
SIMロックの確認方法
- iPhone:「設定」「一般」「情報」「SIMロック」で確認
- Android:「設定」「デバイス情報」「SIMカードステータス」で確認(Xperia 1 Ⅱなどの場合)
「SIMロックなし」もしくは「許可されています」と表示される場合は、SIMロック解除済みです。
今後SIMロックされたスマホはなくなっていく
総務省ではSIMロックを撤廃するよう事業者に求めており、2021年10月1日以降に販売されるスマホへのSIMロックを原則的に禁止しています。
SIMロックされたスマホは段階的に減っており、今後はゼロになる見込みです。
SIMロック解除が必要になる場合とは?
SIMロック解除は、必要な場合と不要な場合があります。
先述したSIMフリーはそもそも解除不要ですが、SIMロックされたスマホでも場合によってはSIMロック解除が不要な場合もあるのです。
手続きが必要な場合と不要な場合の2つに分けて、詳しく解説します。
SIMロック解除が必要になる場合
新しく契約する格安SIMの使用回線が、スマホを購入したキャリアの回線と一致しない場合は、SIMロック解除が必要です。
たとえば、ドコモ回線を使用するX-mobileに乗り換える場合を見てみましょう。
▼ X-mobileへの乗り換え例
スマホの購入先・状態 | SIMロック解除 |
---|---|
au、ソフトバンク、楽天など | 必要 |
ドコモ | 不要 |
SIMフリー | 不要 |
X-mobileはドコモ回線を使用するため、ドコモ以外で購入したスマホの場合、SIMロック解除しなければインターネットに接続できません。
SIMロック解除が不要な場合
新しく契約する格安SIMの使用回線と、スマホを購入したキャリアの回線が一致する場合は、SIMロック解除が不要です。
たとえばドコモで購入したスマホの場合、乗り換え先がドコモ回線を使用するX-mobileなどの格安SIMであれば、SIMロック解除は必要ありません。
SIMロック解除をするメリット
SIM解除をするメリットは、次の2点です。
▼ SIMロック解除をするメリット
- 日本全国どのスマホ会社でも契約できるようになる
- 海外用SIMカードを入れられるようになる
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
日本全国どのスマホ会社でも契約できるようになる
日本全国どのスマホ会社でも、自由に契約できることが最大のメリットです。
手続きの手間を省けるため、お得なキャンペーンや料金プランを提供している格安SIM(MVNO)・格安プランへ気軽に乗り換えられます。
海外用SIMカードを入れられるようになる
現地のSIMカードに対応する端末の場合、SIMカードを差し替えるだけで海外でも今のスマホをそのまま使えます。
海外旅行や出張の機会が多い人にとってとくに便利です。
SIMロック解除にデメリット・注意点はある?
SIMロック解除のデメリット・注意点は以下の2点です。
SIMロック解除のデメリット・注意点
- 手数料がかかる場合がある
- 適用条件がある
注意点も把握したうえで、SIMロック解除の手続きを行うか検討しましょう。
手数料がかかる場合がある
SIMロック解除手数料が発生する可能性もあります。原則として、オンラインで手続きをする場合は手数料がかかりません。
しかし、店頭でSIMロック解除を依頼する場合は、目安として3,850円前後の手数料がかかる場合もあるため注意しましょう。
適用条件がある
各キャリアが以下のように適用条件を設定しています。
3大キャリアのSIMロック解除適用条件
キャリア | 適用条件 |
---|---|
ドコモ | ・ネットワーク利用制限、おまかせロックなどの各種ロックがかかっていないこと ・以下の①~④のうちいずれかを満たすこと ①購入から100日以上が経過していること ②過去のSIMロック解除受付から100日以上が経過していること ③分割支払金・分割払金を精算していること ④支払い方法をクレジットカードに設定していること |
au | ・2015年4月23日以降に販売された対象機種であること ・ネットワーク利用制限中でないこと ・機種購入から101日目以降であること |
ソフトバンク | ・2015年5月以降に発売された機種であること ・機種購入から101日以降であること ・一括払いの支払い確認が取れていること |
上記の条件を満たさない場合、SIMロック解除は依頼できません。
SIMロック解除の手順をわかりやすく解説
SIMロック解除の手順をキャリアごとにわかりやすく解説します。
SIMロック解除の手順
- ドコモでのSIMロック解除の手順
- auでのSIMロック解除の手順
- ソフトバンクでのSIMロック解除の手順
スマホを購入したキャリアのSIMロック解除方法を確認してみましょう。
ドコモでのSIMロック解除の手順
ドコモのSIMロック解除の手順は次のとおりです。
1.「ドコモオンライン手続き」にアクセスする
ドコモオンライン手続きにアクセスして「各種手続き」を選びます。
2.IMEI番号を入力する
SIMロックを解除したい端末に記されている「IMEI番号」を入力して、利用規約に同意します。
3.SIMロック解除を申し込む
申し込みボタンをクリックし、受付完了メールを受け取りましょう。
4.iPhoneの場合:画面の指示に従って手続きを進める
iPhoneの場合は画面に表示された指示に従って手続きを進めれば、SIMロックを解除できます。
5.Androidの場合:コードを使ってSIMロックを解除する
Androidの場合は、手続き後に発行された「SIMロック解除コード」をもとに手続きを行います。端末に他社で発行したSIMカードを挿入して、電源を入れましょう。
端末を起動すると解除コードの入力画面が表示されるため、ここにSIMロック解除コードを入力すると手続きは完了です。
auでのSIMロック解除の手順
auのSIMロック解除の手順は次のとおりです。
1.「My au」の「SIMロック解除のお手続き」画面を開く
My auから当該ページを開き、auの暗証番号を入力します。
2.IME番号を入力する
SIMロックを解除したい端末に記されている「IMEI番号」を入力します。
3.SIMロック解除したい端末を選ぶ
SIMロック解除を希望する端末を一覧画面からクリックして選び、申し込みを完了させましょう。
4.新しい端末にSIMカードを挿入して設定を行う
申し込み完了後、新しい端末にSIMカードを挿入して、機種ごとに以下の設定を行います。
5.iPhoneの場合:画面の指示に従って手続きを進める
iPhoneの場合は画面に表示された指示に従って手続きを進めれば、SIMロックを解除できます。
6.Androidの場合:設定画面からSIMロックを解除する
「設定」「端末情報」「SIMカードの状態」を順番に選び、「SIMカードの情報を更新」をクリックします。
自動的にファイルのダウンロードが行われ、この後に再起動すると、自動的にSIMロックが解除されます。
ソフトバンクでのSIMロック解除の手順
ソフトバンクのSIMロック解除の手順は次のとおりです。
1.「My SoftBank」を開く
My SoftBankにアクセスします。
2.設定画面から手続きを進める
「設定」「契約・オプション管理」の順に選び「SIMロック解除手続き」をクリックします。
3.IMEI番号を入力する
表示された画面に、端末に記載されているIMEI番号を入力して、機種ごとに以下の設定を行います。
4.iPhoneの場合:画面の指示に従って手続きを進める
iPhoneの場合は画面に表示された指示に従って手続きを進めれば、SIMロックを解除できます。
5.Androidの場合:解除コードを使ってSIMロックを解除する
申し込み後に表示される「SIMロック解除コード」をもとに手続きを行います。
新しい端末にSIMカードを挿入して、電源を入れましょう。端末を再起動すると、先ほど確認した解除コードの入力画面が表示されます。
ここにSIMロック解除コードを入力すれば、SIMロック解除は完了です。
SIMロック解除後は格安SIM・格安スマホへの乗り換えがおすすめ
SIMロック解除後に契約をおすすめする格安SIM・格安スマホは、以下の6種類です。
乗り換えにおすすめの格安SIM・格安スマホ
- 楽天モバイル
- ahamo
- LINEMO
- povo
- UQモバイル
- ワイモバイル
各社の特徴・おすすめポイントを解説します。
楽天モバイル
プラン | Rakuten 最強プラン | ||
---|---|---|---|
データ容量 | ~3GB | ~20GB | 20GB~ |
月額料金 | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
使用回線 | ・楽天回線対象エリア:無制限 ・パートナー回線エリア:無制限 |
||
通話料金 | ・Rakuten Linkアプリ:無料 ・通常アプリ:30秒あたり22円 |
||
通話オプション | ・1回15分かけ放題(通常アプリ):月額1,100円 | ||
eSIM | 対応 |
※価格はすべて税込み
楽天モバイルの「Rakuten 最強プラン」は、月間3GBまでを1,078円で使えます。さらに20GB超過後は月額3,278円で無制限で利用可能です。
また2023年6月より開始された「Rakuten 最強プラン」によって、パートナー回線エリアでの月間5GBの制限が撤廃されただけでなく、これまで電波が弱かった地下や屋内でも繋がりやすさを改善しています。
従量制のプランのため、月ごとに利用するデータ量が異なることが多い人におすすめです。
楽天回線を他社スマホで利用する場合は、原則SIMロック解除が必要です。
ahamo
データ容量 | 20GB |
---|---|
月額料金 | 2,970円 |
大盛りオプション | +80GB:1,980円 |
使用回線 | ドコモ |
通話料金 | ・1回5分以内の通話かけ放題:無料 ・超過後:30秒あたり22円 |
通話オプション | ・24時間かけ放題:月額1,100円 ・1GBデータ追加:550円 |
海外ローミング | 海外82ヶ国:20GBまで無料 |
※価格はすべて税込み
ahamoはドコモの格安プランで、月間20GBを2,970円、月間100GBを4,950円で契約できます。
安定したドコモの回線を使ってインターネットに接続できるほか、ドコモで購入したスマホの場合はSIMロック解除の手続きなしでahamoに移行できます。
さらに、国内通話料金5分無料が基本プランに組み込まれていることも特徴的です。
LINEなどのアプリではなく、通常の通話機能を使って電話をする機会が多い人にも、ahamoをおすすめできます。
5分以内かけ放題込み
20GB使えて月額2,970円
LINEMO
LINEMOはソフトバンクの格安プランで、月間3GBを990円、月間20GBを2,728円で契約できます。
LINEのメッセージ交換やビデオ通話で使うデータ容量が消費されない「LINEギガフリー」に対応しているため、LINEを利用する機会が多い人におすすめです。
ソフトバンクと同等な高品質の回線を使ってインターネットに接続でき、ソフトバンクで購入したスマホの場合はSIMロック解除の手続きなしで利用できます。
プラン | ミニプラン | スマホプラン |
---|---|---|
データ容量 | 3GB | 20GB |
月額料金 | 990円 | 2,728円 |
節約モード時と速度制限時の速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps |
データチャージ | 550円/1GB | |
通話料金 | 30秒あたり22円 | |
通話オプション | ・1回5分以内の国内通話無料:月額550円 ※キャンペーンで 1年間無料 ・24時間国内通話がかけ放題:月額1,650円 ※キャンペーンで1年間1,100円 |
|
eSIM | 対応 | |
機能 | LINEギガフリー対応 |
※価格はすべて税込み
キャンペーンリニューアル
ミニプランが最大8ヶ月実質0円
povo
基本料金 | 0円 |
---|---|
通話料金 | 30秒あたり22円 |
使用回線 | au |
通信速度(トッピングなし) | 最大128Kbps |
データ容量(トッピングで都度追加) | ・データ使い放題(24時間):330円 ・1GB(7日間):390円 ・3GB(30日間):990円 ・20GB(30日間):2,700円 ・60GB(90日間):6,490円 ・150GB(180日間):12,980円 |
コンテンツ トッピング | ・DAZN使い放題パック (7日間):760円 ・smash.使い放題パック(24時間):220円 |
通話トッピング | ・5分以内通話かけ放題:550円 ・通話かけ放題:1,650円 |
サポートトッピング | スマホ故障サポート:830円 |
eSIM | 対応 |
※価格はすべて税込み
povoはauの格安プランで、必要なプラン・オプションを自由に追加して組み立てる「トッピング」のシステムが特徴的です。
データ容量が24時間使い放題になるトッピングも330円で販売されているため、休日だけ大容量の通信を行うといった人にも向いています。
auでスマホを購入した人はSIMロック解除の手続きが不要になり、スムーズに乗り換えられるため便利です。
UQモバイル
プラン | ミニミニプラン | トクトクプラン | コミコミプラン |
---|---|---|---|
データ容量 | 4GB | 15GB | 20GB |
データ増量オプション ※7ヶ月無料、以降は月額550円 |
+2GB | +5GB | +5GB |
月額料金 | 2,365円〜 | 3,465円 | 3,278円 |
自宅セット割+au PAY お支払い割適用後の料金 | 1,078円 | 990~2,178円 | 対象外 |
自宅セット割の適用条件 | ・自宅セット割の「インターネットコース」または「でんきコース」に申し込む | ||
データ繰り越し | 対応 | ||
速度制限時の速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
通話料金 | 30秒あたり22円 | ||
通話オプション | ・月間60分かけ放題:月額660円 ・1回10分かけ放題:月額880円 ・24時間完全かけ放題:月額1,980円 ※60歳以上の場合は月額880円 |
||
eSIM | 対応 |
UQモバイルはau回線を利用した格安SIMで、月間4GB(2,365円)・15GB(3,465円)・20GB(3,278円)と3つのプランが提供されています。
auのサブブランドで、auの高速通信を利用することができ、auのスマホであればSIMロック解除不要で利用することができます。
ワイモバイル
ワイモバイルでは、月間3GB(2,178円)・15GB(3,278円)・25GB(4,158円)と3つのプランを提供しています。
ソフトバンクのサブブランドで、ソフトバンクの高速通信を利用することができ、ソフトバンクで購入したスマホであればSIMロック解除不要で利用することができます。
プラン | シンプルS | シンプルM | シンプルL |
---|---|---|---|
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
データ増量オプション ※1年間無料、以降は月額550円 |
+2GB | +5GB | +5GB |
月額料金 | 2,178円 | 3,278円 | 4,158円 |
割引適用後の月額料金 (家族割またはおうち割 光セット) |
990円 | 2,090円 | 2,970円 |
割引の適用条件 | ・家族割:家族での利用 ・おうち割 光セット:ソフトバンク 光またはソフトバンクエアーの利用 |
||
データ容量超過後の速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
データ繰り越し | 対応 | ||
通話料金 | 30秒あたり22円 | ||
通話オプション | ・1回10分かけ放題:770円 ・24時間かけ放題:1,870円 |
||
eSIM | 対応 |
まとめ
SIMロック解除とは、スマホ購入時にキャリアからかけられているSIMロックを解除する手続きのことです。
SIMロック解除することで、日本全国どのスマホ会社のSIMでも通信が可能となり、海外用SIMカードも利用可能です。
一方、手数料がかかる場合がある、適用条件があることに注意しましょう。注意点も押さえたうえで、SIMロック解除の手続きを行うか検討しましょう。